楚懐王の戦略

宋義・項羽を主軍、劉邦を別軍にした楚懐王の戦略について。

これが秦取りの可能性が高そうな劉邦を活かす戦略だというのをhttp://d.hatena.ne.jp/T_S/20090219で述べてみたわけだけど、じゃあ仮に章邯の注意が劉邦に向いちゃったりしたらどうするのか。

その時は、楚の主軍が打って出るチャンスだろう。
劉邦を止める、あるいは滅ぼすためにある程度の戦力を割けば、それだけ章邯の趙包囲網は薄くなり、楚の主軍はそれだけ有利になる。こうなったら時間稼ぎは止めて決戦を挑むことになるだろう。

章邯は自分をやり過ごして関中に向かう劉邦を討とうとして楚の主軍と真っ向から戦う羽目に陥るか、劉邦を捨て置いてでも目の前の趙と楚主軍と戦うか、の苦しい2択を強制されることになる。


・・・というのが、机上の戦略。
実際には、このままでは戦に勝っても自分が美味しい目を見る事が無い(秦を破ったとしても、戦功一番は劉邦であり二番は主軍の大将宋義だろう)と気づいた項羽が、楚懐王のことを無視するという暴走を始める可能性を忘れてしまっていた。


このあたりの項羽の暴発が、明智光秀と被って見えるのは多分私だけだろう。