三公荀彧

太祖欲表(荀)彧為三公、彧使荀攸深讓、至于十數、太祖乃止。
(『三国志』巻十、荀彧伝注引『荀彧別伝』)


『荀彧別伝』では、袁氏に勝ったあたりで曹操が荀彧を三公にしようとするという動きがあったとされている。



まあこの話自体の信憑性が怪しいのではないか、ということではあるのだが、この時の曹操は一応三公の中では最下位である司空だったと思われるので、曹操が推薦するからには荀彧は司徒か太尉にふさわしい、という意味になるだろう。そうでなかったら「自分は昇進して当然なので、自分が昇進して空席になった司空に荀彧を当てよう」と言ったことになってしまい、流石の曹操でも不遜すぎるというものだ。


形式的には荀彧を自分より上の官位にふさわしいと推薦したのだ。



まあ、実態としては「荀彧も辞退してしまったらもう三公にふさわしい人物はいないので、曹操が全部やるしかない」という流れにしたかった、つまり丞相就任のためのワンステップだったんじゃないか、という気がしてならないが。