昨日の記事について、ちょっと面白い指摘をいただいたので紹介しておく。
人及鳥生子曰乳、獣曰産。
(『説文解字』)
なんでも、人や鳥が子供を成す時は「乳」、獣が子供を成す時は「産」という語で表す、と『説文解字』では言っているそうだ。
という事は、だ。
蘇武に対して匈奴は「羝乳乃得歸」と言っているが、これは先の『説文解字』の解釈に従えば「雄の羊がに人間の子を産んだら帰してやる」になるではないか。
羊を産むなら「産」の字を使うのでは、という事だ。
蘇武以外に人がいない場所に連れて来られているのだから、雄羊に受胎させる可能性のある人間は蘇武しかいない。
つまり、匈奴は「雄の羊がお前の子供を産んだら漢に帰してやるぞ(ニチャァ」と最初から言っていた事になる。