何の器か

大宛之跡、見自張騫。張騫、漢中人。建元中為郎。
是時天子問匈奴降者、皆言匈奴月氏王、以其頭為飲器、月氏遁逃而常怨仇匈奴、無與共撃之。
【注】
集解、韋昭曰「飲器、椑榼也。單于以月氏王頭為飲器。」晉灼曰「飲器、虎子之屬也。或曰飲酒器也。」
索隱、椑音白迷反。榼音苦盍反。案、謂今之偏榼也。
(『史記』巻一百二十三、大宛列伝)

匈奴単于月氏の王を殺すと、王の頭蓋骨を「飲器」としたそうだが、この「飲器」は「虎子」のことだとする説がある。



つまり月氏王の頭蓋骨は「おまる」にされたということだ。



まあ、字義からしても意味合いからしても普通に「杯」と考える方が普通だと思うが、「人の頭で酒を飲むなんて考えられない」みたいな感覚がそういう解釈を生んだか?