『晋書』宣帝紀を読んでみよう:その15

その14(https://t-s.hatenablog.com/entry/2019/07/07/000100)の続き。





初、文懿篡其叔父恭位而囚之。及將反、將軍綸直・賈範等苦諫、文懿皆殺之。帝乃釋恭之囚、封直等之墓、顯其遺嗣。令曰「古之伐國、誅其鯨鯢而已、諸為文懿所詿誤者、皆原之。中國人欲還舊郷、恣聽之。」
時有兵士寒凍、乞襦、帝弗之與。或曰「幸多故襦、可以賜之。」帝曰「襦者官物、人臣無私施也。」乃奏軍人年六十已上者罷遣千餘人、將吏從軍死亡者致喪還家。遂班師。
天子遣使者勞軍于薊、增封食昆陽、并前二縣。
初、帝至襄平、夢天子枕其膝、曰「視吾面。」俛視有異於常、心惡之。
(『晋書』巻一、宣帝紀

司馬懿、帰還の途。



寒いから肌着が欲しいです、という兵士に対し、「古い肌着はあるが、それは官のものであって臣下が勝手に施してはいけない」と述べる司馬懿

臣下が独断で人々に施しをするのは、その人物に良からぬ期待を高めてしまう事になりかねないという事だ。枢要な地位にいて大功を立てたからこそ、皇帝や周囲に警戒されるのを恐れていたという事かもしれない。




そして夢に天子すなわち烈祖様が出てきた司馬懿




膝枕をして「私の顔を見よ」と言っていたのだとか・・・。なんか不穏ですねえ(すっとぼけ