人道的見地

詔曰「蓋夫婦正則父子親、人倫定矣。前詔有司復貞婦、歸女徒、誠欲以防邪辟、全貞信。及眊悼之人刑罰所不加、聖王之所制也。惟苛暴吏多拘繫犯法者親屬、婦女老弱、搆怨傷化、百姓苦之。其明敕百寮、婦女非身犯法、及男子年八十以上七歳以下、家非坐不道、詔所名捕、它皆無得繫。其當驗者、即驗問。定著令。」
(『漢書』巻十二、平帝紀、元始四年)

前漢末、王莽政権下の元始四年にこういった法改正が行われたそうだ。




「婦女が自ら法を犯したわけではない場合、および男子で八十歳以上または七歳以下の場合、家が「不道」の罪で連坐したり、詔で指名手配されて逮捕されたのでなければ、獄に繋いではならない。もし取り調べが必要なら、獄ではなくその場で行え」




といったところだろうか。これ自体は人道的な措置と言うべきなのだろう。





王莽が儒者であり、儒者の支持を集めたであろう政権であったことも一因なのかもしれないし、人気取りという側面もあったのだろうが、何にしろ当時の伝統的な刑法を優しい方向に改正したことは興味深い。