始皇帝の不思議のダンジョン

昔始皇爲塚、斂天下瓌異、生殉工人、傾遠方奇寶於塚中、爲江海川瀆及列山岳之形。以沙棠沉檀爲舟楫、金銀爲鳧雁、以瑠璃雜寶爲龜魚。又於海中作玉象鯨魚、銜火珠爲星、以代膏燭、光出臺中、精靈之偉也。
昔生埋工人於塚内、至被開時皆不死。工人於塚内琢石爲龍鳳仙人之像、及作碑文辭讚。漢初發此塚、驗諸史傳、皆無列仙龍鳳之製、則知生埋匠人之所作也。後人更寫此碑文、而辭多怨酷之言、乃謂爲怨碑。史記略而不録。
(王嘉『拾遺記』)

秦の始皇帝が自分の墳墓を作る際(中国の帝王は生前に自らの墳墓を用意しておく)、金銀宝石を用いて塚の中に海や山や星を再現し、燭台に火をともし続けて明るさを保っていたという。





更に、職人を生き埋めにしてしまっていたが、何とも驚いたことに、漢初に始皇帝墓が暴かれた時(項羽によるものを指す?)、当初は無かったはずの竜や鳳凰や仙人たちの石像が作られていた。すなわち、職人たちは生き埋めにされてからも石像を地中で黙々と作り続けていたのだ、というのだ。



また生き埋め職人たちは碑文も作っていたが、その碑文は怨みの言葉満載であったとか。そりゃそうだろう。





完成し入口を封印したはずなのに構造物が人知れず生成されているとはものすごい。



これは不思議のダンジョンも真っ青である。