其明年、以護軍中尉從攻反者韓王信於代。卒至平城、為匈奴所圍、七日不得食。高帝用陳平奇計、使單于閼氏、圍以得開。高帝既出、其計祕、世莫得聞。
【注】
集解、桓譚新論「或云『陳平為高帝解平城之圍、則言其事祕、世莫得而聞也。此以工妙踔善、故藏隠不傳焉。子能權知斯事否？』吾應之曰『此策乃反薄陋拙惡、故隠而不泄。高帝見圍七日、而陳平往説閼氏、閼氏言於單于而出之、以是知其所用説之事矣。彼陳平必言漢有好麗美女、為道其容貌天下無有、今困急、已馳使歸迎取、欲進與單于、單于見此人必大好愛之、愛之則閼氏日以遠疏、不如及其未到、令漢得脱去、去、亦不持女來矣。閼氏婦女、有妒媔之性、必憎惡而事去之。此説簡而要、及得其用、則欲使神怪、故隱匿不泄也。』劉子駿聞吾言、乃立稱善焉。」按、漢書音義應劭説此事大旨與桓論略同、不知是應全取桓論、或別有所聞乎？今觀桓論似本無説。
（『史記』巻五十六、陳丞相世家）
漢の高祖劉邦が匈奴と戦って酷い目に遭ったのは有名だが、その窮地を救ったのは匈奴の閼氏（単于の奥さん）への使者となった陳平であった。
しかし陳平が一体どんな奇策を使って匈奴の包囲を脱することができたのかは劉邦によって秘密にされたのだという。
裴駰『史記集解』はこんなことを言っている。
桓譚『新論』にこんな話が載っていた。
「匈奴から逃れた策を秘密にしたのは、その秘策がとんでもなく絶妙だったので真似されないように隠したのだ、という説があるが、実は匈奴の閼氏に『奥さん奥さん、このまま中国攻め取ってしまったら中国の美女たちが単于の側室になっていまいますぜ。そうなったら単于はオルドしまくり、正妻の貴女のことなど見向きもしなくなりますぜ。ここは中国の皇帝を逃がしてやった方がいいんじゃないですかねえ・・・？』と説得したからに違いないのだが、もったいぶって秘密にしたのだろう」
こんな話が出てくるってことは、結局後の世ではこの時に陳平が何やったか良くわかってないということだ。
この時の秘密はちゃんと守られていたということか。
