孔丘先生と弟子の殺害予告

季氏富於周公、而求也為之聚斂而附益之。子曰非吾徒也。小子鳴鼓而攻之可也。
(『論語』巻十一、先進)

孔丘先生は、弟子のひとり冉求が周公より裕福であると言われる季孫氏に仕えて年貢の徴収に力を発揮したと聞くと激しくお怒りになった。



「あやつは我が弟子ではない!お前ら、あやつを攻め殺して構わんぞ!」



仮にも弟子とした人物を殺してしまえというのはなかなかに過激であるが、それだけ先生はその不肖の弟子が苛斂誅求をしたということを怒ったのだろう。流石は先生である。





孟武伯問子路仁乎、子曰不知也。又問、子曰由也千乘之國可使治其賦也、不知其仁也。求也何如。子曰求也千室之邑百乘之家可使為之宰也、不知其仁也。赤也何如。子曰赤也束帯立於朝可使與賓客言也、不知其仁也。
(『論語』巻五、公冶長)


孟武伯が孔丘先生に尋ねた。「冉求さんってどうよ?仁者?」


孔丘先生は答えた。

「あいつ、千世帯の都市の長官や馬車百台持っている大富豪の家の執事をするだけの実力はあるが、仁者かどうかはわからんね」



先生、あなた冉求さんがその面で実力を発揮すると自分でお墨付き与えてるんじゃないっすか・・・。




先生は弟子冉求を魯の大物に紹介しておきながら、自分の気にくわない事をしていると聞くとSATSUGAI予告するのであった。
過激である。さすが孔丘先生、俺たちにできないことをry



まあ苛斂誅求が気に障ったとしても、それなら彼のそんな性質を見抜けずに孟武伯に宣伝した先生本人にも責任の一端はある。

だからこそ孔丘先生も激怒したとも考えられるが、外部の人間からしたら「あいつ、弟子のことを殺してやるとか言ってたんだってよマジこえー」みたいに思われたことだろう。




この件は先生と弟子の関係を考える上で参考になるかもしれない。