酎金律、文帝所加、以正月旦作酒、八月成、名酎酒。因令諸侯助祭貢金。
(丁孚『漢官』)
前漢の朝廷における祭礼で「酎金」というものがあった。
皇帝が祭礼のために酒を作り、その酒を宗廟に奉納する。
諸侯・列侯はそれを助けるという名目で金を皇帝に献上しなければいけなかったのである。
体の良い形で諸侯・列侯から金を吸い上げる方策なのだろう。
武帝の時にはこの酎金のため献上された金の材質が悪いということで多数の列侯が処罰された。
この『漢官』を読むと、この酎金の制度を作ったのは文帝であったという。
文帝は実は諸侯王抑制に心を砕いた皇帝の一人なので、この制度も諸侯王抑制のために作ったんだろう。
祭礼のためと言えば諸侯も反対しづらい。