郭氏の忌避

五月蓋屋、令人頭禿。謹案、易・月令、五月純陽、姤卦用事、齊麥始死。夫政趣民收獲、如寇盜之至、與時競也。除黍稷、三豆當下、農功最務、間不容息、何得晏然除覆蓋室寓乎?今天下諸郭皆諱禿、豈復家家五月蓋屋邪?俗化擾擾、動成訛謬、尼父猶云「從衆」、 難復縷陳之也。
(応劭『風俗通』佚文)


五月に家に屋根を掛けると禿げる、という恐ろしい言い伝えが後漢末にはあったそうだ。


応劭先生が言うには、五月といえば収穫や豆の種まきなど一番忙しい時期なので、のんびり屋根を掛けているどころではないからそんな言い伝えが出来たんだろうということである。



ところで、「天下の郭氏はみんな禿を忌み嫌っているけれど、郭氏はみんな五月に屋根を掛けたというのか?そういう間違った言い伝えが定着してしまうと、孔丘先生でも「大衆に従う」と言っているくらいで、こまごまと正しいことを説明してやるというわけにもいかないのだ」と言っているので、どうも当時の郭氏は禿遺伝子があるみたいだぜ的なことを言われていたんじゃなかろうか。


三国志の時代のあの人やこの人などの郭氏が揃いも揃って頭頂部がさびしい感じだったとしたらちょっと楽しい。