言い伝え

徒不上墓。俗説、新遭刑罪原解者、不可以上墓祠祀、令人死亡。謹案、孝經「身體髮膚受 之父母、曾子病困、啓手足以歸全也。」今遭刑者、髡首剔髮、身被加笞、新出狴犴、臭穢不潔。凡祭祀者、孝子致齋貴馨香、如親存也、時見子被刑、心有惻愴、縁生事死、恐神明不歆承、當不上墓耳。
(応劭『風俗通』佚文)


後漢代、「刑徒は墓に上がってはいけない。死んでしまいますよ」という言い伝えがあったという。


応劭によれば、刑徒は刑を受け牢獄から出たばかりの薄汚れた存在なので、清浄にして親がまだ生きているかのごとくうやうやしく儀式を執り行わなければいけない墓には立ち入らせるべきではないためにそういった言い伝えが生まれたのだろう、と言っている。



現代から見ると少々非科学的な言い伝えについて、それが生まれた合理的(当時の感覚で)な理由を考える応劭先生は面白い。