プライバシーのため音声は変えてあります

(王)莽為人侈口蹷顄、露眼赤精、大聲而嘶。長七尺五寸、好厚履高冠、以氂裝衣、反膺高視、瞰臨左右。是時有用方技待詔黄門者、或問以莽形貌、待詔曰「莽所謂鴟目虎吻豺狼之聲者也、故能食人、亦當為人所食。」問者告之、莽誅滅待詔、而封告者。後常翳雲母屏面、非親近莫得見也。
(『漢書』巻九十九中、王莽伝中)


王莽様はデカい口に短い顎、飛び出た目に赤い目玉、大きくてしわがれた声の持ち主だったという。身長は七尺五寸、厚い履と高い冠、そして毛を逆立てた毛皮の衣をまとい、胸を反らせて周囲を睥睨していた。


そんな王莽様について、彼に仕える方士の類がこう言ったという。

「陛下は鷹の目・虎の口・豺狼の声の持ち主です。ゆえに人を喰らい、またいずれ人に喰われることになるでしょう。」

このことは王莽様にチクられることとなり、王莽様はその者を誅滅した。


それ以降、自分の容姿を見られることすらイヤになったのか、王莽様は常に雲母で出来た扇で顔を隠すようになり、近臣以外は顔を見ることもできなくなったという。



雲母の顔隠しということは、半透明でうっすらとは見えるようにしつつ相手から細かいところは見えない様にしたということだろう。

モザイク処理みたいなものだろうか。



あと、もしかすると「顔を隠すためにサングラスをかける」という発想を世界で最初に思いついたのはこの王莽様と言えないこともないかもしれない。