仲良く喧嘩しな

典略曰、(孫)翊名儼、性似策。策臨卒、張昭等謂策當以兵屬儼、而策呼權、佩以印綬
(『三国志』巻五十一、孫翊伝注引『典略』)


「次は孫儼(孫翊)さんが後継者に指名されるに違いないわよね〜」
とか張昭とかが噂していたら、孫策が指名したのは孫権だった。

呉歴曰、(孫)策謂(張)昭曰「若仲謀不任事者、君便自取之。正復不克捷、緩歩西歸、亦無所慮。」
(『三国志』巻五十二、張昭伝注引『呉歴』)


孫策は張昭にこう遺言した。
「もし孫権がダメダメだったら、君が代わりにリーダーになっちゃっていいよ。もし上手く行かなくても西に帰ればいいじゃん。君なら心配いらないっしょ?」



孫権の心配されっぷりがハンパじゃない。
もちろん、上記の二資料は系統が違うのでいっしょくたにすべきではないかもしれないが。
それにしても孫権が後継者として不安がられていたことは間違いないのだろう。


それと張昭は孫策からどっかで聞いたようなことを言われたり、孫翊が後継者だと思っていたりと、孫権から見るとちょっとイヤな感じだろう。
孫権と張昭のギクシャクどころではない関係は、もうスタート地点から始まっていたのかもしれない。