漢代の王

漢代、「王」には二種類があった。

戦国時代の六国の地に封建された諸侯のことは諸侯王と呼ばれ、初期を除いて劉氏しかなることができなかった。


もうひとつ、異民族つまり当時の感覚で言えば「四夷」の首長も「王」とされた。

故粤王亡諸世奉粤祀秦侵奪其地、使其社稷不得血食。諸侯伐秦、亡諸身帥閩中兵以佐滅秦、項羽廢而弗立。今以為閩粤王、王閩中地、勿使失職。
(『漢書』高帝紀下)

こちらの王は劉氏に限られないが、一方で諸侯王には数えられていなかったようである(『漢書』諸侯王表などには記録されていない)。