名数

民前或相聚保山澤、不書名數、吏以文法教訓辨告、勿笞辱。
【注】
師古曰「保、守也、安也。守而安之、以避難也。 名數、謂戸籍也。」
(『漢書』巻一下、高帝紀下)

(孔)霸上書求奉孔子祭祀、元帝下詔曰「其令師襃成君關内侯霸以所食邑八百戸祀孔子焉。」故霸還長子福名數於魯、奉夫子祀。
(『漢書』巻八十一、孔光伝)

漢代、いわゆる戸籍のことを「名数」と呼んでいたそうだ。



下の例は孔子の子孫である孔覇が、先祖孔子の祭祀を守るために息子の戸籍を魯に移した、というもの。



「名数」は土地ごとに分けられているものであったようだ。

たぶん、北辺に「名数」を登録していると騎兵選抜である「六郡良家子」の対象になるとか、登録地ごとに扱いが変わってくるのだろう。

兵役や徭役はその「名数」の土地ごとに管理されたと思われる。