遷都の理由

(董)卓曰「關中肥饒、故秦得并吞六國。且隴右材木自出、致之甚易。又杜陵南山下有武帝故瓦陶竈數千所、并功營之、可使一朝而辨。百姓何足與議!若有前却、我以大兵驅之、可令詣滄海。」
(『後漢書』列伝第四十四、楊彪伝)

董卓長安遷都を言い出して楊彪ら大臣が反対したときの董卓の言葉。




「隴右では材木を算出するから、必要な材木を簡単に持ってこれる。それに三輔には武帝の時代の窯が数千か所残っている。これを利用すれば必要な瓦や陶器もすぐに生産できるだろう」




遷都しようとする董卓の言葉なので話半分に聞くべきかもしれないが、三輔が木材の供給を受けやすく、また多数の窯があり、生産拠点としての潜在力を持っているというのは面白い話かもしれない。




ただ閉じこもり守るのではなく、これらの生産力の独占と活用のために遷都しようとした、と解釈できる。