神に会った男

漢末名士録曰、(胡母)班字季皮、太山人、少與山陽度尚・東平張邈等八人並輕財赴義、振濟人士、世謂之八廚。
謝承後漢書曰、班、王匡之妹夫、董卓使班奉詔到河内、解釋義兵。
・・・(中略)・・・
班嘗見太山府君河伯、事在搜神記、語多不載。
(『三国志』巻六、袁紹伝注)

後漢末の胡母班は反董卓派であった義理の兄、河内太守王匡に殺された人物だが、『三国志』注によれば彼は泰山府君河伯、つまり泰山と黄河の神様に会ったことがあるという。

胡母班、字季友、泰山人也。曾至泰山之側、忽於樹間、逢一絳衣騶呼班云「泰山府君召」班驚楞、逡巡未答。復有一騶出、呼之。遂隨行數十歩、騶請班暫瞑、少頃、便見宮室、威儀甚嚴。・・・(後略)
(『捜神記』巻四)

確かに『捜神記』には胡母班が泰山府君の宮殿に招かれ、その後河伯にも謁見したことが記されている。
詳細は『三国志』注に倣って省略する。言い換えると面倒。


神に会った男でも、現実世界の争乱の前では無力だったということか。