意外な特技

(許)允善相印、將拜、以印不善、使更刻之、如此者三。允曰「印雖始成而已被辱。」問送印者、果懐之而墜于廁。
相印書曰「相印法本出陳長文、長文以語韋仲將、印工楊利從仲將受法、以語許士宗。利以法術占吉凶、十可中八九。仲將問長文『從誰得法』?長文曰『本出漢世、有相印・相笏經、又有鷹經・牛經・馬經。印工宗養以法語程申伯、是故有一十二家相法傳于世。』」
(『三国志』巻九、夏侯玄伝注引『魏氏春秋』)

魏の許允は「印の相」を見るのが得意だったという。



許允は自分が受けるべき印を見て「この印は出来たばかりなのに既に辱めを受けている」と言い出し、印を持参した者に訊ねたところ、その印は間違えて便所に落としてしまっていたのだった。





なお、「相印書」という印の相の専門書によれば、この時代の印の相についてはこのような経緯があったという。




まず陳羣(長文)が韋誕(仲将)に伝え、印の職人である楊利が韋誕から教わり、韋誕から許允が教わった。


また、印職人宗養が程喜(申伯)に教えた流派もあったのだという。




楊利は十中八九の的中率であったのだとか。







許允、陳羣、韋誕、程喜といった人物の意外な特技。



憶えておいて得は無いだろう。