つぶやき13

http://www.mbs.jp/news/jnn_4786164_zen.shtml


「トラックの高速無料制度、悪用が急増」と書いてあるのだが、どのあたりが「悪用」なのかよくわからない。



狭い路地での大型トラックのUターンなどは「高速無料制度の悪用」ではない。
トラック運転手の交通法規違反またはモラル低下である。
危険で不適切あるのは間違いないが、決して「高速無料制度の悪用」ではない。
「危険な運転」というなら間違っていないだろうが。


「被災地の復興とは関係のないトラック」が制度を利用することが「悪用」だとするなら、まず法令・規則等のどこに違反・抵触する行為なのかもう少し明確にしてほしい。
それに被災地に直接乗り込まなくても、被災地へもいずれ行く物資を運んでいるのかもしれないではないか。


仮に取り上げられたトラックが「一切無料で通行できる要素が無いのに無料で通行している」という意味で「悪用」したというのならば、それはそのトラックのモラルの問題であると同時に「何台もそんなトラックを無料で通し放題にしてきた側」の問題にもなってくる。




まあそれでもここまではその放送局の主張ということで意見の一つとして胸に収めることはできるのだが、大臣の発言だけはちょっと何言ってるかわからないんですけど。


思うに「悪用」と言えるのは、出口で見せる証明書自体を偽造するとか、無料対象トラックの条件を満たさないのに満たしているかのごとく偽装するとか、そういうことくらいではないだろうか。
証明書自体に嘘や欺瞞が無いのならば、出口等での既定の確認を正当な手段で通過しているなら、何が「悪用」なのだろうか。


「被災地の復興とは関係のないトラック」などと言うが、そこを問題視するなら最初から制度に盛り込むべきだろう。
被災地復興と関係あるかどうか何らかの確認を取るか、あるいは違反者を罰するよう規定するか、だ。

「被災地の復興だけに限ってね」とか言えばみんなそれを確実に守るなんていうのはこの世のどこにも存在しない架空の世界だろう。


社会のモラルと処罰を背景にした強制は車の両輪だ。一方だけに頼るのはどちらもまともな法治国家ではないのではないだろうか。


大臣はまずそういったトラックの無料通行が法律違反という「悪用」と明確になるよう制度を整備するべきだろう。
運転手の「悪用」を咎めることができるのはそれからだ。

もしそんなこと今更できないというなら、それは制度開始当初からの政権担当者および関係省庁の政策立案と制度設計上の不備か誤謬である。
利用者を正すならその責任についてもキチンと明らかにしケジメをつけてほしいものだ。



以前から言っているように、この高速無料化はありとあらゆる面で碌でもない方向に進んでいるようにしか見えない。
これが自分の考えすぎであればいいのだけど。