憂いのあまり

靈帝頗好學蓺、毎引見(劉)𥶡、常令講經。𥶡嘗於坐被酒睡伏。帝問「太尉醉邪?」𥶡仰對曰「臣不敢醉、但任重責大、憂心如醉。」帝重其言。
(『後漢書』列伝第十五、劉寛伝)

後漢霊帝の頃に三公になった劉寛は霊帝の学問の師範役を務めたが、あるとき酒好きな劉寛は飲み過ぎたのか霊帝のお勉強中に酒に酔って寝てしまったという。



霊帝が「酔ったのか?」と聞くと、劉寛は気が付いてこう答えた。




「私は酒に酔ったわけではありません。三公の責任の重さを感じて憂いのあまり酔っぱらったような状態となっただけなのです」





我々が見るとただの下手な言い逃れなのだが、霊帝はその言葉を重んじたという。






霊帝は「憂国の士というのは酔っ払いのようなものなのだ」と理解したということだろう」とか言うのはやめておこう。