朝敵と放伐

先日、曹操が「朝敵」になったのでは、と書いたが、これは短期的にはマイナスがあっただろうが、長期的にもマイナスばかりとは言い切れないだろう。



少なくとも、その後も順調に天下取りに近づいていき、いよいよ皇帝に即位してもおかしくないという段になると、話が変わってくるはずだ。



なぜなら、その場合には漢の献帝のことを「乱れた天下を収める忠臣曹操を殺そうとする暴君」と認定することができることになるからだ。



これは、優れた人物と名高い周の文王を殺そうとした殷の紂王と相似形である。



つまり、禅譲ではなく、殷周革命と同じ放伐により王朝を交代する機運を高められるだろう、ということだ。





と、ここまで書いてて思ったんだが、袁術が即位の際に用いた論理がそんな感じだったんじゃないだろうか。即位をかなり前倒ししているが。