項羽の計算

昨日の魏三分の話だけど、項羽が取る範囲と元の魏王である西魏王魏豹の間に、元は趙将という殷王司馬卬を挟んでいるの、なかなか計算された配置かもしれない。



魏豹が失地回復を図ろうと項羽を攻撃しようとしても、間に殷王司馬卬がいるから直接攻撃はしにくい。




また趙は項羽に直接救われた関係なので、おそらくは司馬卬もどちらかというと項羽寄りに動く可能性が高いし、旧魏王の親族であった魏豹と異国人の司馬卬が連帯する可能性は低い。





つまり魏豹は魏においてまさに鼎立の状態を作られていて、簡単には項羽に背きにくい。項羽はそれなりにパワーバランスを考えて諸侯を配置していたのだろう。





といっても、魏豹は漢王劉邦という外圧に割と簡単に屈し、殷王司馬卬ともども劉邦に取り込まれているわけだが・・・。逆に孤立気味だからこそあっさり各個撃破されたとも言える。



結局は項羽の魏における諸侯の配置は計算倒れと言うべきか・・・。