先主不甚樂讀書、喜狗馬・音樂・美衣服。
(『三国志』巻三十二、先主伝)
劉備若き日の話。
盧植の元で学んでいても、読書はあまり好まず、イッヌ、ウッマ、音楽、衣装の事を好んだとされる。
これは勉学に不真面目だったようにしか思えないし、実際そういう話だとは思う。
だが、イッヌが闘犬、ウッマが自分がウマを操るものだとすれば、彼は軍事教練的な技術を好んだ事になる。闘犬だって「準備を整え指揮する」という指揮官の能力に通じるではないか。
学問に不真面目というより、軍事技術習得に真面目だったのかもしれない。
「闘犬や馬術が得意」と言えば「ほう、軍事面に自信あり、ということですな」と考える人がいたのではなかろうか。
「小物を指揮して花嫁を強奪するのが得意」と言えば、「ほう、軍事面に自信あり、ということですな」と考える人もいそう。