続きのひとこと

昨日の話の続きだが、もちろん有利不利だけで皇太后が動くとは限らない。


本心から魏王朝のためや天下万民のため、自分がどうなろうが、不利になろうが皇帝高貴郷公を支持しようとしたという可能性もあるだろうし、逆に高貴郷公を扇動していたのが皇太后だって可能性だって否定はしない。



ただ、前の皇帝(斉王芳)を廃位して次の皇帝を選ぶ際にはあの司馬師の意に反してまで別の者を選んだ皇太后が、高貴郷公が自分を殺そうとしたのだという「真相」に対しては異論を挟まず、積極的ではないと思うが高貴郷公断罪の詔を出しているのである。


客観的には皇太后は自ら選んだ皇帝である高貴郷公を切り捨てているが、製造者責任を果たしたとも言えないこともなかろう。



もちろん、それはこの時の司馬昭たちが「一切の異論を許さない」といった異様な迫力で強要したからかもしれないが。




とりとめのない話になってしまったが、この時の皇太后が高貴郷公の行動をどう思い、どう評価したのかはよくわからないな、案外迷惑がっていたかもな、という事だ。