錫。有錫、春秋時曰錫穴。
(『続漢書』郡国志五、漢中郡)
後漢の漢中郡に「錫」という県があった。三国時代には郡になったりもしている。
「有錫」とあるので、金属としての「錫」を産出したから「錫」という県名になったという事だろうか?
鍚、莽曰鍚治。
【注】
應劭曰「音陽。」師古曰「即春秋所謂鍚穴。」
(『漢書』巻二十八上、地理志上、漢中郡)
前漢の漢中郡にも「鍚」という県が・・・あれぇ?
「鍚」、これ「錫」と違う字なんじゃないか!?!
注の風俗通先生によっても「陽」という音だという事なので、少なくとも金属の「錫」の字とは別モノとして考えられていたっぽい。
いつ何がどうなって「鍚」が「錫」に変化したんだろうか・・・?