芸は身を助ける

包咸字子良、會稽曲阿人也。少為諸生、受業長安、師事博士右師細君、習魯詩・論語
王莽末、去歸郷里、於東海界為赤眉賊所得、遂見拘執。十餘日、咸晨夜誦經自若、賊異而遣之。
(『後漢書』列伝第六十九下、儒林列伝、包咸)

前漢末から後漢初にかけての儒者包咸(『論語』注釈者として有名)は、王莽末期になって郷里(会稽郡)に逃げようとして赤眉に捕まった。


だが、捕まっている最中日夜ずっと経書を暗唱し続けたため、赤眉は彼を解放したという。





この時代の賊は何故か孝行者などに感じ入って捕虜を解放したり略奪狼藉を止めたりするのだが、これはずっとブツブツと何かを唱え続けている姿にまともではない何かを感じで怖気づいたということではなかろうか。




現代でも、何か誘拐とかに遭ってしまったら同じように経書を暗唱し続けると犯人が解放してくれるかもしれない。現代にも使える古代の知恵。