宋弘の妻その2

昨日の記事の主役、宋弘。




この人物は「糟糠の妻」の話で有名な人物でもある。





宋弘は主君である皇帝から、今の妻から皇帝の姉に乗り換えてはどうか、というMNPの誘いを「貧しい時を共にした妻を捨てるなんてとんでもない」と言って断った。





ところで、この宋弘は昨日の記事を見ると父は九卿に至り、自身も皇帝の側近や州牧、九卿といった要職に就いていた、いわば当時のエリート街道を驀進していた人物のように思われる。




こんな宋弘に「糟糠」を食べていたような貧乏な時代が一瞬たりとも存在したのだろうか・・・?






無論、王莽シンパとして殺されるかもしれないとビクビクしていた時代なども一緒だった妻なのだろうから、長らく苦楽を共にしたのは事実だろうし、「皇帝陛下のお姉さまと比べたら貧乏な私たち夫婦」みたいな謙遜の意味合いもあったのかもしれないが、宋弘に糟糠を食べるしかないような経済的に貧しい時代があったのかというと、少々怪しい、とは言えるのではなかろうか。