『晋書』宣帝紀を読んでみよう:その26

その25(https://t-s.hatenablog.com/entry/2019/07/18/000100)の続き。





帝内忌而外寬、猜忌多權變。
魏武察帝有雄豪志、聞有狼顧相、欲驗之。乃召使前行、令反顧、面正向後而身不動。
又嘗夢三馬同食一槽、甚惡焉。因謂太子丕曰「司馬懿非人臣也、必預汝家事。」太子素與帝善、毎相全佑、故免。帝於是勤於吏職、夜以忘寢、至於芻牧之間、悉皆臨履、由是魏武意遂安。
及平公孫文懿、大行殺戮。誅曹爽之際、支黨皆夷及三族、男女無少長、姑姊妹女子之適人者皆殺之、既而竟遷魏鼎云。
明帝時、王導侍坐。帝問前世所以得天下、導乃陳帝創業之始、及文帝末高貴郷公事。明帝以面覆牀曰「若如公言、晉祚復安得長遠!」迹其猜忍、蓋有符於狼顧也。
(『晋書』巻一、宣帝紀

司馬懿は外面はいいが内面は猜疑心が強く、残忍さがあった、と語る。



東晋の明帝は司馬懿から司馬昭にかけて天下を取った歴史を王導より聞き、「こんな事だったのでは晋の命運も長くはない」と、晋より早く滅んだ王朝への迂遠なディスりの言葉を吐いたという。




司馬懿は臣下で収まるようなヤツじゃない」という曹操の見立ては当たっていたわけだが、自分で無理に仕官させておいて何を言っているんだ感も無くはない。そういうとこだぞ。