その１（http://d.hatena.ne.jp/T_S/20180425/1524582073）の続き。
綏和二年三月、成帝崩。
四月丙午、太子即皇帝位、謁高廟。尊皇太后曰太皇太后、皇后曰皇太后。大赦天下。賜宗室王子有屬者馬各一駟、吏民爵、百戸牛酒、三老・孝弟・力田・鰥寡孤獨帛。
太皇太后詔尊定陶恭王為恭皇。
五月丙戌、立皇后傅氏。
詔曰「春秋『母以子貴』、尊定陶太后曰恭皇太后、丁姫曰恭皇后、各置左右袪事、食邑如長信宮・中宮。」追尊傅父為崇祖侯、丁父為襃徳侯。封舅丁明為陽安侯、舅子滿為平周侯。追諡滿父忠為平周懷侯、皇后父晏為孔郷侯、皇太后弟侍中光祿大夫趙欽為新成侯。
（『漢書』巻十一、哀帝紀）
綏和２年の前半。
成帝崩、哀帝即位。王太后詔令傅太后・丁姫十日一至未央宮。高昌侯董宏希指、上書言宜立丁姫為帝太后。師丹劾奏「宏懷邪誤朝、不道。」上初即位、謙讓，從師丹言止。後乃白令王太后下詔、尊定陶恭王為恭皇。哀帝因是曰「春秋『母以子貴』、尊傅太后為恭皇太后、丁姫為恭皇后、各置左右袪事、食邑如長信宮・中宮。追尊恭皇太后父為崇祖侯、恭皇后父為襃徳侯。」
（『漢書』巻九十七下、外戚伝下、孝元傅昭儀）
当初、哀帝が皇太子になった際、成帝の側は「あくまで定陶王の家＝傅氏や丁氏とは別」という事を守らせようとしていた。
しかし、哀帝は即位するとすぐに実父の定陶恭王に「恭皇」という称号を贈るよう太皇太后に求めた。
そしてそこからなし崩し的に傅氏や丁氏にも皇太后・皇后（「恭皇」の太后や后だという意味合いなのだろう）という地位を贈る事となったのである。
既にいる太皇太后（成帝の実母王氏）や皇太后（趙飛燕）らの地位を脅かす可能性の高い女性たちが朝廷に入り込んできたという事である。
