『漢書』外戚伝について

漢書』において、皇后や皇太后、皇帝の寵姫らの事績は「外戚伝」として纏められている。



以下、『漢書外戚伝に立伝されている人物を列挙する。



高祖呂皇后

孝惠張皇后

高祖薄姫

孝文竇皇后

孝景薄皇后

孝景王皇后

孝武陳皇后

孝武衛皇后

孝武李夫人

孝武鉤弋趙祜礱

孝昭上官皇后

衛太子史良娣

史皇孫王夫人

孝宣許皇后

孝宣霍皇后

孝宣王皇后



ここまでが外戚伝上。



皇后と書かれていないのは「高祖薄姫」「孝武李夫人」「孝武鉤弋趙祜礱」「衛太子史良娣」「史皇孫王夫人」。



薄姫は文帝の生母、李夫人は廃帝となった昌邑王の祖母、趙祜礱は昭帝の生母、史良娣・王夫人は宣帝の祖母と生母である。







孝成許皇后

孝成班祜礱

孝成趙皇后

孝元傅昭儀

定陶丁姫

孝哀傅皇后

孝元馮昭儀

中山衛姫

孝平王皇后



ここまでが外戚伝下。




「孝成班祜礱」「孝元傅昭儀」「定陶丁姫」「孝元馮昭儀」「中山衛姫」は皇后と書かれていない。



傅昭儀は哀帝の祖母、丁姫は哀帝の生母、馮昭儀は平帝の祖母、衛姫は平帝の生母である。





こうしてみると、李夫人は微妙なところがあるものの、約1名を除いて立伝者は皇后かあるいは皇帝の血統に関わる者のみであることがわかる。





そうなると、残り1名の「孝成班祜礱」は何故この中に入っているのか、という疑問が湧いてくる。





ちなみに、この班祜礱は『漢書』編者である班固の父班彪の叔母に当たる。