『漢紀』高祖皇帝紀を読んでみよう:その43

その42(https://t-s.hatenablog.com/entry/2018/12/28/000100)の続き。





五年冬十月、王追項羽至陽夏南。與韓信・彭越期、皆不至會。楚撃漢軍、大破之。王復深壘自守。
王謂張良曰、諸侯不從奈何。對曰、大王能取睢陽以東、北至穀城、盡以王彭越、從陳以東傅海與韓信、則両人必至而楚敗矣。王從之、信・越皆至。
(『漢紀』高祖皇帝紀巻第三)

劉邦項羽を不意打ちしたが返り討ちに遭う。



まあ普通にカッコ悪いが、項羽には劉邦にとっての関中のような逃げ場は無いに等しい。ここで名の出てくる彭越は項羽の本拠に出没する勢力なのである。



そして、劉邦の選択によって項羽は滅亡への道を一気に駆け下りていく事になるのだった。



ここで韓信と彭越に与えると言っている領土は、おそらく項羽の領土の事ではなかろうか。項羽の領土を与えるから、欲しけりゃ全面協力して自分で切り取れ、という事なのだ。