『漢書』恵帝紀を読んでみよう:その4

その3(http://d.hatena.ne.jp/T_S/20170905/1504538960)の続き。



五年冬十月、靁。桃李華、棗實。
春正月、復發長安百里内男女十四萬五千人城長安、三十日罷。
夏、大旱。
秋八月己丑、相國參薨。
九月、長安城成。賜民爵、戸一級。
六年冬十月辛丑、齊王肥薨。
令民得賣爵。
女子年十五以上至三十不嫁、五算。
夏六月、舞陽侯噲薨。
長安西市、修敖倉。
(『漢書』巻二、恵帝紀

恵帝5年はどうやら異常気象だったらしい。




そして相国の曹参と恵帝の兄の斉王劉肥が死去し、同時期に長安の城壁が完成する。




また、15歳から30歳までの未婚女子は5倍の人頭税がかかるといういわゆる「独身税」が導入されている。




制度面でも都市のインフラ面でも、この時期に色々と完成し始めてきた、というのが分かる。




五年、六年城就。諸侯來會。十月朝賀。
(『史記』巻九、呂太后本紀)

一方の『史記』では以上である。




事件らしい事件は長安の城壁完成くらいである。




あくまでも印象だが、こちらだけを読むと「この時期は政治的に何もなかったんだ、しなかったんだ」と感じやすいのではなかろうか。