王莽の最終防衛ライン

http://d.hatena.ne.jp/T_S/20170615/1497453208


王莽たちは宮殿にまで反乱兵たちが押し寄せてくる中、「漸台」という所を最終防衛線*1としたという。




漸臺、在未央宮太液池中、高十丈。漸、浸也。言爲池水所漸。又一説、漸臺、星名、法星以臺名。
未央宮滄池*2、池中有漸臺、王莽死於此。
(『三輔黄図』)

どうやら「漸台」は未央宮内の池のところにある「うてな」であるらしい。



池に囲まれているから侵攻方向が限られており守りやすいということなのだろう。


ついでに言うと、展望台になっているので飛び道具で敵兵を狙撃しやすいというのもあったかもしれない。





ただ、もとより孤立状態とはいえ、池のそばの展望台に立てこもったことでいよいよ逃げ場が無くなり、王莽らの完全な皆殺しを招いたのかもしれない、とも思う。




青い水のほとりの高楼を舞台に最後の戦いが行われて奮闘虚しく全滅、と書くとちょっと絵になりそうに思えてくる。



*1:もちろん、実際にはそれは最終防衛線というよりは最期の逃げ場と言うべきだろうが。

*2:ちなみに「滄池」は水が青いためにそういう名が付いているのだという(滄=蒼)。