『漢書』王莽伝を読んでみよう:中その27

その26の続き。


寧始將軍姚恂免、侍中崇祿侯孔永為寧始將軍。
是歳、池陽縣有小人景、長尺餘、或乗車馬、或歩行、操持萬物、小大各相稱、三日止。
瀕河郡蝗生。
河決魏郡、泛清河以東數郡。先是、莽恐河決為元城冢墓害。及決東去、元城不憂水、故遂不隄塞。
(『漢書』巻九十九中、王莽伝中)

寧始将軍姚恂は罷免となり、侍中崇禄侯孔永が寧始将軍となった。



この年、池陽県でちっちゃいおっさんの姿が見かけられた。長さは一尺あまり、ある者は馬車や馬に乗り、ある者は徒歩で、色々な物を持っていて、乗り物や物もおっさんと同じ大きさだった。
三日して出て来なくなった。



黄河沿いの郡でイナゴの害が発生した。



黄河が魏郡で決壊し、清河以東の数郡に広がった。これ以前、王莽は黄河の決壊が魏郡元城県の王莽の先祖の墓に害を及ぼすのを恐れていたが、決壊して東に影響が及んで元城は洪水で困らなかったため、堤防を塞がなかった。



ちっちゃいおっさん、イナゴ、洪水と、怪奇現象と災害が立て続けに起こる。



この時代、どちらも為政者の政治の結果と思われたり、天からの警告と思われたりしたようだ。もちろんこれらもそういう意味合いで記録されていると思っていいだろう。