『史記』と『漢書』の間に

馮商所續太史公七篇。
【注】
韋昭曰「馮商受詔續太史公十餘篇、在班彪別録。商字子高。」師古曰「七略云商陽陵人、治易、事五鹿充宗、後事劉向、能屬文、後與孟柳俱待詔、頗序列傳、未卒、病死。」
(『漢書』巻三十、芸文志、春秋)

史記』の続編を作ったりした(しようとした)人物として、『漢書』は「馮商」なる人物の存在を記録している。



史記』加筆者として有名な褚先生(褚少孫)と違って一応『史記』と独立して記録されているので、『史記』の中に混入していくスタイルではなく、別の書として独立した続編形式で作られたということかもしれない。




贊曰、馮商稱張湯之先與留侯同祖、而司馬遷不言、故闕焉。
(『漢書』巻五十九、張湯伝、賛)

漢書』では馮商が伝えていた「張湯と張良は同じ先祖」という話を「司馬遷は言っていないから」あえて書かなかったと言っているが、これは裏返すと特に疑いのある内容以外では大いに参考にしていたということであるのかもしれない。