反乱者の目論見

先日の記事(http://d.hatena.ne.jp/T_S/20150106/1420474654)で挙げた、反乱した毌丘倹らの言い分では、司馬師を排除して司馬昭・司馬孚・司馬望を用いようということであった。




考えてみると、ここで言及された三人は、いずれも(外から見ると)司馬師に対して含むところがありそうな者なんだなあ。





司馬昭は、もっとも司馬師の後を継ぐ地位に近い存在だが、もし仮に司馬師に実子が生まれたり、司馬師が別に養子を取ったら、後継ぎから外れる可能性もある立場と言える。



司馬孚は、司馬懿の弟であり、世代が司馬師より上の長老格である。司馬懿の死後、司馬師ではなく彼の方が司馬氏一族のトップになっていたって不思議ではない存在であったと言える。



司馬望は司馬懿の兄である司馬朗の後を継ぐ形となった人物であるから、司馬氏一族の長兄の二世代目ということになる。司馬師よりも格上と言えないことも無い。





彼らはそういった立場だからもともと地位が高かったということもあるだろうが、毌丘倹たちとしては、こういった司馬師に対してどこか含むところがあったように思えた近親を敢えて称揚することで、その近親たち自身またはその周辺から毌丘倹への同調者が出ることを期待したということかな、やはり。



トップの近親で不満のありそうな者から敵勢力を切り崩そうというのは曹操なんかもよくやっていたし。