廬陵太守太原龐企、字子及、自言其遠祖不知幾何世也、坐事繫獄而非其罪、不堪拷掠自誣服之、及獄將上、有螻蛄蟲行其左右、乃謂之曰「使爾有神、能活我死、不當善乎。」因投飯與之。螻蛄食飯盡去、頃復來、形體稍大。意毎異之、乃復與食。如此去來、至數十日間、其大如豚。及竟報、當行刑、螻蛄夜掘壁根為大孔、乃破械、從之出。去久、時遇赦得活。
於是龐氏世世常以四節祠祀之於都衢處。後世稍怠不能復特為饌、乃投祭祀之餘以祀之、至今猶然。
（『捜神記』龐企遠祖）
太原の龐企という人物の遠い先祖は、かつて冤罪で監獄に入れられたが可視化されていない取り調べを受けた結果「自白」してしまい、刑を待つ身となってしまった。
そんな折、監獄で虫のオケラが這いずり回っているのを見つけ、「俺を助けてくれ」とお願いしてみて、自分の飯を分け与えてみたという。
しばらく経ってからまたそのオケラが出現したが前より少し大きくなっており、不思議に思った彼はまた飯を与えた。
そのオケラはしまいには豚くらいの大きさにまで成長したという。
こうして数十日が経って彼の刑が決まり、いよいよ執行されるという夜になると、例の巨大オケラがやってきて壁に穴を空け、彼の拘束具を破壊したため彼は脱走できたのであった。
その後大赦があって彼も正式に刑を免れることとなったという。
それから、龐氏の間では先祖の命を救った恩人（？）であるオケラを祀り、最初はオケラのためのお供え物までしていたそうだ。
じきにお供え物の余り物をやるだけになったが、それは今（晋代）も続いているのだ、という。
豚サイズのオケラってものすごく強力なモンスターなんじゃないかと思うんだよな・・・。
雑食性だから豚サイズだったら人間も食うかもしれないな。
んなクリーチャー味方にしてたら、そら脱獄余裕ですわ。
