万機論の許劭評

(蒋)濟上萬機論、(文)帝善之。
(『三国志』巻十四、蒋済伝)

三国魏の蒋済は、曹丕に「万機論」なる自著を献上し、曹丕から誉められたという。




蔣濟萬機論云許子將褒貶不平、以拔樊子昭而抑許文休。
(『三国志』巻三十七、龐統伝注引蒋済『万機論』)


その「万機論」の中で、蒋済は汝南の樊子昭を抜擢しながら許靖のことは挙げなかった許劭(許子将)のことを不公平であると批判していたらしい。



曹操微時、常卑辭厚禮、求為己目。(許)劭鄙其人而不肯對、操乃伺隙脅劭、劭不得已、曰「君清平之姦賊、亂世之英雄。」操大悦而去。
(『後漢書』列伝五十八、許劭伝)


許劭と言えば曹操を「清平之姦賊、乱世之英雄」と(脅されて)評したという人物なわけだが、蒋済や曹丕は許劭の曹操評も不当であると考えていたのだろうか?