時帝姉湖陽公主新寡、帝與共論朝臣、微觀其意。主曰「宋公威容徳器、羣臣莫及。」帝曰「方且圖之。」後弘被引見、帝令主坐屏風後、因謂弘曰「諺言貴易交、富易妻、人情乎?」弘曰「臣聞貧賤之知不可忘、糟糠之妻不下堂。」帝顧謂主曰「事不諧矣。」
(『後漢書』列伝第十六、宋弘伝)
光武帝の姉が夫を亡くした。
そこで光武帝と共に次の夫候補をあれこれと考えていた。
「宋弘ってのがすっげえ好みやわ」
「マジ?じゃあなんとかしてみるわ」
ということで宋弘を呼び出した光武帝、屏風の後ろには姉を隠しておいた。
たぶん、折を見て登場させて既成事実を作るつもりなのだ。きっと。たぶん。
光武帝が切り出す。
「なあ、『偉くなったら付き合う相手を変える。金持ちになったら妻を変える』って言うじゃん?人の気持ちってのはそういうものだよなあ?」
だが、宋弘はこう答えた。
「『貧しい時からの友達は忘れてはいけない。貧しい時の妻は大事にしないといけない』と言いますよ」
見事言い返された光武帝は姉を出すことが出来ず、姉に対し「上手くいかなかったわ。ごめんマジごめん」と言ったのだった。
やはり、全員が全員というものでもないのだとは思うが、高貴な身になった時やそれを期待して妻を変える、というのは当時割とあったことなのかもしれない。
皇帝だから事情も違うけれど光武帝も正妻チェンジしてるし。