皇帝陛下の評判2

昨日の記事(http://d.hatena.ne.jp/T_S/20121011/1349881371)コメントで、id:mujin氏が「劉曄の「始皇、武帝の仲間」という表現」について指摘されていた。


世語曰、帝與朝士素不接、即位之後、羣下想聞風采。居數日、獨見侍中劉曄、語盡日。衆人側聽、曄既出、問「何如」?曄曰「秦始皇・漢孝武之儔、才具微不及耳。」
(『三国志』巻三、明帝紀注引『世語』)

確かに、始皇帝漢の武帝といえば統一や領土拡大をしている一方、労役や軍役で民を苦しめたとか、財政が破綻しかけたとか、功罪半ばするという印象である。

そんな両名と同じタイプのスタンドだがちょっと及ばないと評されたというのは喜んでいいのかと言われればかなり微妙であろう。
どちらかというとあまりな低評価に怒ってもいいくらいだ。




思えば、私は魏の明帝曹叡様は何となく聡明というイメージがあったのだが(『三国志』明帝紀の評は能力を評価している)、「能力が評価されて後継ぎになった」ということを示す文を見た記憶が無い。



もちろん見ていなかっただけで普通にあるかもしれないが、昨日の記事や上記の評価のように、もしかすると即位当初は能力面についてあまり評価されていなかった可能性も割とあるのではないだろうか*1

*1:もちろん、まだ若かったから評価されていなかった、というのもあるかもしれないが。