南斉書魏虜伝の元氏改姓の条の記事によると、拓跋という名の匈奴人と李陵との間の子孫が拓跋氏であるらしい。この話は園田俊介さんという方の論文でも見た記憶があるが、内容忘れた。
— 張と燕のあいださん (@chouhien) 5月 9, 2012
このようなツイートを見かけたので確認してみた。
是歳、(托跋)宏徙都洛陽、改姓元氏。初、匈奴女名托跋、妻李陵、胡俗以母名為姓、故虜為李陵之後。虜甚諱之、有言其是陵後者、輒見殺、至是乃改姓焉。
(『南斉書』巻五十七、魏虜伝)
うわ本当だ。
つまり匈奴に降伏した李陵の妻となったのが「托跋」という名の女性で、その子孫(つまり李陵の子孫)は「托跋」を姓とした。
これが鮮卑の托跋氏の先祖だというのである。
その後、托跋氏は自分たちが李陵の子孫であるということを秘密にし、このことを言った者はすぐ始末してきたのだという。
どうやら、元氏への改姓もこの出自を隠すためと南斉書は解釈しているようだ。