ぼく暴君

魏明帝時、宮室盛興、而期會迫急、有稽限者、帝親召問、言猶在口、身首已分。
王肅抗疏曰「陛下之所行刑、皆宜死之人也。然衆庶不知、將為倉卒、願陛下下之於吏而暴其罪。均其死也、不汚宮掖、不為搢紳驚惋、不為遠近所疑。人命至重、難生易殺、氣絶而不續者也、是以聖王重之。孟軻云『殺一不辜而取天下者、仁者不為也。』」
(『晋書』巻三十、刑法志)


魏の明帝こと曹叡様は土木事業を盛んに起こしたが、そのための労役の動員の期限が厳しかった。

ある者がその期限に間に合わなかったところ、曹叡様は自らその者を召し出したが、その者が弁明の言葉を口にしている間に首をちょん切ってしまった。



王粛はその行為に抗議した。

「陛下の行った刑は、死罪になるべき者への刑ではありますが、そのことを下々の者たちは知らないので、急に殺されてしまったとしか思わないでしょう。願わくば、陛下は期限に遅れた者たちを所轄の役人に下げ渡して罪を明らかにせんことを。そうすれば死罪を平等にし、宮殿を血で汚すこともなく、名士を驚かせることもなく、国中の人々に疑いを抱かせることもなくなるでしょう。人命は何より重く、生かすことは難しく殺すことはたやすいものです。だからこそ古の聖王たちは命を重んじたのです。孟子も『罪なき者を一人殺して天下を取るということは、仁なる者は手を染めない』と言っております」




曹叡様マジ暴君、っていう感想しか出てこないエピソード。


何者かが話を「盛った」可能性は十分あると思うが、それにしても「首だけで夢でも見てろー」とは凄い。