或る女子の夫選び

兩袒。俗説、齊人有女、二人求之。東家子醜而富、西家子好而貧、父母疑不能決、問其女「定所欲適、難指斥言者、偏袒令我知之」女便兩袒、怪問其故、云「欲東家食、西家宿」此為兩袒者也。
(応劭『風俗通』佚文)


昔、斉にある女がいた。

その女には二人の求婚者がいたという。


一人は東の家の男で、家は金持ちだがブサだった。

もう一人は西の家の男で、家は貧しかったがイケメンだった。



彼女の父母も決めることが出来ず、娘に決めさせることにしてこう言った。

「お前がどちらに嫁ぎたいのか、はっきり言うのは憚られるというなら、片方だけ上着を脱いでどちらを選ぶのか教えておくれ」


すると娘は上着を全部脱いだ。


父母が「お前なんだそれ」と聞くと、娘は答えたという。



「えっとねっ、あのね、どっちの男を選ぶか、ウフ、決めなきゃいけないんだけど〜、実はね、ウフ、正直に答えたら東の男の家でご飯食べて西の男の家で夫婦生活しちゃいたいんだ☆あっこれ言っちゃダメだった!ウフフ☆オッケー☆バイバーイ☆」