『三国志』だけでは分からない事績

十三卷、漢信都王太傅戴紱撰。梁有諡法三卷、後漢安南太守劉熙注、亡。
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釋名八卷、劉熙撰。
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孟子七卷、劉熙注。梁有孟子九卷、綦毌邃撰、亡。
(『隋書』経籍志一)


後漢の人、劉熙。『釈名』、『孟子』注などの著作があったことが知られている。
『釈名』は当時の辞書のようなものだろうか、語釈などでしばしば『史記』等の注釈で引用されている。


この人は後漢末の人で、いわゆる三国時代の人々ともかかわりがある。

許慈字仁篤、南陽人也。師事劉熙、善鄭氏學、治易・尚書・三禮・毛詩・論語
(『三国志』許慈伝)

程秉字紱樞、汝南南頓人也。逮事鄭玄、後避亂交州、與劉熙考論大義、遂博通五經。
(『三国志』程秉伝)

薛綜字敬文、沛郡竹邑人也。少依族人避地交州、從劉熙學。
(『三国志』薛綜伝)

すぐわかるだけでも上記三人の師匠が劉熙だった。程秉・薛綜についてはどちらも交州で弟子入りしたようなので、その時期劉熙は交州にいたらしい。