2013-01-01から1ヶ月間の記事一覧

漢の漢たちを語る9「俺の祖母が14歳なわけがない」:上官皇后

前漢の皇后の中でも最も数奇で、そして寂しい運命をたどった女性。 それは、有名な呂后でも趙飛燕でも元后でもないと思う。

漢官解詁

漢官解詁三篇、漢新汲令王隆撰、胡廣注。 (『隋書』巻三十三、経籍志二、職官篇) 『漢官六種』のひとつ『漢官解詁』の撰者は王隆というのか。 王隆字文山、馮翊雲陽人也。王莽時、以父任為郎、後避難河西、為竇融左護軍。建武中、為新汲令。能文章、所著詩…

『江表伝』の異説

(孫)晧疾(樓)玄名聲、復徙玄及子據、付交阯將張奕、使以戰自效、陰別敕奕令殺之。據到交趾、病死。玄一身隨奕討賊、持刀歩渉、見奕輒拜、奕未忍殺。會奕暴卒、玄殯斂奕、於器中見敕書、還便自殺。 【注】 江表傳曰、晧遣將張奕追賜玄鴆、奕以玄賢者、不…

漢の漢たちを語る8「青春の過ち」:韓嫣

かの有名な漢の武帝は数多くの寵臣を抱えていたが、その中でも彼にとって特別に思い入れがあったのは有名な衛青や霍去病ではなかったと思う。 では、誰だろうか。

御史の真実

上使尚書劾奏章「知(馮)野王前以王舅出補吏、而私薦之、欲令在朝阿附諸侯。又知張美人體御至尊、而妄稱引羌胡殺子蕩腸、非所宜言。」遂下(王)章吏。 (『漢書』巻九十八、元后伝) 臣聞許美人及故中宮史曹宮皆御幸孝成皇帝、産子、子隠不見。 (『漢書』…

漢の漢たちを語る7「西域の姫君」:楚主解憂

漢代の西域に、「烏孫」と呼ばれる民がいた。 現代のキルギスにいた連中、青い目と赤いヒゲが特徴だそうだ。 烏孫は匈奴と似た習俗で、当初は匈奴の傘下にいたが次第に強勢となり、やがて大月氏をキルギスから追い出して烏孫がそこに居付くようになった。 漢…

連載再開

http://togetter.com/li/423253?page=1 少し前の話なんだが、「ファイブスター物語」(FSS)が4月に連載再開って本当なんだろうか。 「DESIGNS4」発売と同時とか言ってた気もするんだが、まあたぶんなかったことになるんだろう。ファイブスター…

武氏2

大司馬司直*1沛武襄君孟為右扶風、三年為冀州牧。 (『漢書』巻十九下、百官公卿表下、元始二年) 前漢の末期、沛の武襄という者が右扶風や京兆尹になっている。 三国時代の武周は沛の人間なので、おそらく同族なのだろう。 武氏は後漢末頃は割と名家だった…

漢の漢たちを語る6「俺はまだ本気出してないだけ」:公孫賀

前漢武帝の頃の将軍に公孫賀という人物がいる。 彼は祖父が将軍となって戦功を立てて列侯になったことのあるという家の出で、かの衛青の姉を妻としていた。

或るゼリイストの呟きその13

マルハニチロ「ちょっと贅沢 今日のくだもの いちご」。とちおとめピューレ入り、だそうだ。甘さと酸っぱさの絶妙なハーモニー。いちごのゼリーはもっと増えるべき。 たらみ「期間限定 甘酸っぱい味わい ブルーベリーゼリー」。ブルーベリーの果実が割と入っ…

どうでもいいこと

http://ja.wikipedia.org/wiki/IV%E5%8F%B7%E9%A7%86%E9%80%90%E6%88%A6%E8%BB%8A いつ見ても4号駆逐戦車のフォルムは素晴らしいなあ。 なんというか、パンターやT-34がマミさんなら、4号駆逐戦車のなめらかな流線型はほむらのようだ。 そう思わないか、碇…

漢の漢たちを語る5「国の司直、国の禁忌」:蓋寛饒

前漢の宣帝の時、蓋寛饒という者がいた。彼は儒者であったが、同時に天性の監察官であり、班固は『漢書』の賛で彼を「国の司直」*1であると評した。 *1:『詩経』からの引用。

衛士

(蓋)𥶡饒初拜為司馬、未出殿門、斷其襌衣、令短離地、冠大冠、帶長劍、躬案行士卒廬室、視其飲食居處、有疾病者身自撫循臨問、加致醫藥、遇之甚有恩。及歳盡交代、上臨饗罷衞卒、衞卒數千人皆叩頭自請、願復留共更一年、以報𥶡饒厚徳。 (『漢書』巻七十七…

ナッシング

ちょっと時間かけた記事が更新前に消えたのでやる気ナッシング。

奴隷くん

初、(衛)青既尊貴、而平陽侯曹壽有惡疾就國、長公主問「列侯誰賢者?」左右皆言大將軍。主笑曰「此出吾家、常騎從我、奈何?」左右曰「於今尊貴無比。」於是長公主風白皇后、皇后言之、上乃詔青尚平陽主、與主合葬、起冢象廬山云。 (『漢書』巻五十五、衛…

荒ぶる顔師古先生

師古曰「眭音息隨反。今河朔尚有此姓、音字皆然。而韋昭・應劭並云音桂、非也。今有荕姓、乃音桂耳。漢之炔欽又不作眭字、寧可混糅將為一族?又近代學者旁引荕氏譜以相附著。私譜之文出於閭巷、家自為説、事非經典、苟引先賢、妄相假託、無所取信、寧足據乎…

漢の漢たちを語る4「公孫病已を探して」:眭弘

前漢の昭帝の時代のこと。 かの泰山において、数千人の人間の声と共に大きな石が自ら立ち上がるという事件が起こった。また、昌邑国では祠の枯れた木がまた芽吹き、上林苑でも枯れた柳がまた復活し、その葉には「公孫病已立」と読める虫食いの跡があるのが発…

漢の漢たちを語る3「事件は会議室で起きてるんじゃない!現場が起こしてるんだ!」:陳湯

前漢の元帝の頃、北方の雄匈奴は武帝時代の戦争で消耗した上に分裂し、複数の単于が乱立していた。その王位争奪トーナメントに勝利した呼韓邪単于は漢に事実上臣従し、敗北した郅支単于は西域方面に逃走し機を窺っていたのである。 そんな時期に西域の漢に臣…

買った漫画

『こーしょー19さい』3巻。完結である。 これまで何度か話題にしてきたが、改めて紹介しておく。 この作品は「設定年齢19歳ということにして声優の仕事をしている女子小学生」のお話。 今は亡き「メンズヤング」誌の巻末を飾っていた4コマ漫画である。…

たまには金曜ロードショーの事

金曜ロードショー見ていてhttp://d.hatena.ne.jp/T_S/20110723/1311358086のことがまた気になったんだけどさ。 良く考えたら現時点では戸籍上「兄妹」となっていたとしても、あの船長のオッサンが言ってたように実は別の父と別の母から生まれてたっていうな…

月事

※今回の記事は引く人は引くでしょうが、良く考えたらこのブログではよくあることなので気にしない事にしました。

漢の漢たちを語る2「19年の抑留生活を経て」:常恵

漢の使節団として北の異民族匈奴へ向かうが、情勢が変わり匈奴に拘束され、そのまま監禁生活を送る羽目になること19年・・・。 蘇武のことかって?蘇武もそうだが、今回の主役は「常恵」。

漢の漢たちを語る1「その誇り高き血統」:張放

唐突だが、常々思ってはいたがやはり前漢の人物たちは世間に知られていないので、ここで微力ながらアピールしていこうと思う。 第1回目は「張放」。

何晏の祖父

世説新語に引かれる魏略に「何晏は大将軍何進の孫である『或いは何苗の孫ともいう』」なんて事が書いてあってエッとなった。— dara3さん (@daradara3594) 1月 6, 2013 こんなツイートを見たので、いつものように人のふんどしで相撲を取らせてもらおう。

デキるビジネスマンのための中国古典その3

さて、デキるビジネスマンとは所属する組織のために働くものである。 これは当然の事である。 その一方で、デキるビジネスマンというものは自分で考え自分で動く、独立した存在でなければならない。 それができないのは会社の歯車から脱することはできないの…

諸侯王国の人

彭宣字子佩、淮陽陽夏人也。治易、事張禹、舉為博士、遷東平太傅。 禹以帝師見尊信、薦宣經明有威重、可任政事、繇是入為右扶風、遷廷尉、以王國人出為太原太守。 數年、復入為大司農、光祿勳、右將軍。 哀帝即位、徙為左將軍。歳餘、上欲令丁・傅處爪牙官、…

戦力差

(陳)湯曰「夫胡兵五而當漢兵一、何者?兵刃朴鈍、弓弩不利。今聞頗得漢巧、然猶三而當一。・・・ (『漢書』巻七十、陳湯伝) 前漢の時代、西域で独断専行で功を立てて干された陳湯は西域都護段会宗が西域の民である烏孫に包囲された時に皇帝の諮問を受け…

機種変更

http://d.hatena.ne.jp/T_S/20121206/1354721758で携帯の機種変更をしようと思っていることをつぶやいたのだが、ついに機種変更した。 新たな機種は「IS17SH」。スマートフォンである*1。 最新のLTEとやらの機種というのも考えたが、目玉が飛び出るような価…

檄文

上曰・・・(中略)・・・吾以羽檄徴天下兵、未有至者、今計唯獨邯鄲中兵耳。・・・ 【注】 師古曰「檄者、以木簡為書、長尺二寸、用徴召也。其有急事、則加以鳥羽插之、示速疾也。魏武奏事云今邊有警、輒露檄插羽。檄音胡歷反。」 (『漢書』巻一下、高帝紀…

妄想という名のSL

突然だが、漢の高祖が秦に背くことを決めてから例の白蛇を斬り、更に山に隠れてから自立、そして秦を打倒するまでというのはもっと漫画や小説やゲームの元ネタに活用できると思う。 幾つか元ネタにしてるっぽいものもあるとは思うが、もっと沢山出てきていい…